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コラム2026.10.17

マーケティングを外注するとき、丸投げがうまくいかない理由と依頼先の選び方

先に結論

マーケティングを丸投げすると、お客様と商品の一次情報が外部に届かないまま作業が進み、分担の境目で改善が遅れ、契約が終わったときに社内に何も残りません。外部に任せてよいのは作業で、手放してはいけないのは一次情報と最終判断です。依頼先は、判断の理由を毎週記録に残し、アカウントとデータを御社の名義に置いてくれるかで選んでください。

マーケティングを外注したのに、成果が見えないとき

外注先から届いた報告を開くと、表示回数、クリック数、獲得単価が並んでいます。けれど、どんな方が来て、商談で何が決め手になったのかは書かれていません。来月なにを変えるのかも、はっきりしない。御社にも、そんな月はないでしょうか。

商談でも、すでに外部に広告の運用を頼んでいる会社のご担当者様から、こんな声を伺いました。「土日の返信が遅くて困っている」「PDCAも少し遅い気がする」「正直、勝ちパターンが見えないのが今いちばんの課題」。外に頼めば解決する、とは限らないのです。

弊社も、同じところでつまずいてきました。代表の猪飼は、頼む側として、いろいろな外注先に仕事を頼み、うまくいかなかった経験が何度もあります。引き受ける側としても、制作から運用まで丸ごとお引き受けしていた時期がありました。そのころを、代表はこう振り返ります。「過去に全部請け負ったこともあるんですが、工数が増えて、なかなか事業が先に進まなかった。役割分担をしたうえで進めるのが最短で最速だと、もう分かっている」。

頼む側と引き受ける側、両方で失敗して分かったことがあります。丸投げがうまくいかないのは、依頼先の腕だけの問題ではありません。原因は、任せ方の形にあります。理由は3つです。

丸投げがうまくいかない理由1:お客様の声が外部に届かない

代表は「丸投げは本当に危ない。社長の意図も分からないのに、想像でやって、うまくいかない」と話しています。売るのは御社の商品で、お客様と直接話しているのも御社の方です。御社の商談で、お客様が最後に申し込みを決めた一言を、外注先の担当者は知っているでしょうか。

外部の担当者は、御社の見込み客と話したことがありません。商談で何を聞かれ、何が決め手になり、何で断られたのか。それを知らないまま広告やLPの言葉を作れば、ウェブで調べて分かる範囲の、ありふれた言葉になります。本当のお客様の声は、生の商談の中にしかありません。

弊社が、ご支援の最初の2週間で現在のご商談(録画・トークスクリプト・資料のいずれか)を拝見するのはこのためです。弊社自身も、自社の面談は録画して分析に使っています。経営者が感じている課題と、実際に数字を止めている原因が違うことは少なくありません。それは、話を聞かないと分かりません。

丸投げがうまくいかない理由2:分担の境目で、改善が止まる

作業を細かく外に出すほど、分担の境目が増えます。構成は外部、デザインは社内、配信の設定はまた別の人。数字を見て「ここを直そう」と決めてから実際に直るまでに、何度もやり取りが挟まり、そのあいだも広告費は出ていきます。御社が「ここを直したい」と伝えてから、直った広告が実際に出るまでに何日かかっているか、一度数えてみてください。

代表がよく口にするのは「一番のコストって、やり直しなんですよ」という言葉です。意図が伝わらないまま作ったものを、出しては戻す。それを繰り返すと、費用より先に時間が失われます。

「専門家に任せたほうが早い」というのは、半分だけ正しい考え方です。作業そのものは早くなります。けれど、判断する人と手を動かす人の間に情報が届かなければ、改善の速さはむしろ落ちます。

丸投げがうまくいかない理由3:契約が終わると、何も残らない

すべてを外に任せていると、担当者が抜けた時点で、何を試し、なぜそうしたのかが社内に残りません。代表は「うちが抜けたら何も残りませんでした、ゼロからやり直し、がいちばんつらい」と言います。

数字だけが残っていても足りません。成約率が下がった月に何を変えたのか、なぜそれを選んだのか。判断の理由がなければ、次の担当者は同じ試行錯誤をもう一度することになります。広告アカウントやLINEのリストが外部の名義になっていれば、データそのものも引き継げません。

判断の理由は、長い報告書である必要はありません。今週何を変えたか、なぜそれを選んだか、次に何を見るか。この3行が毎週たまっていくだけで、半年後には御社だけの判断の記録になります。

外部に任せてよいこと、社内に残すこと

では、何を社内に残せばよいのか。よく言われる「内製化」は、社内の人が管理画面の操作を覚えることだと思われがちです。弊社の見方は違います。管理画面は頻繁に変わるので、覚えた操作はすぐに古くなります。代表がお客様に、操作を覚えるより判断の基準を持ってほしいとお伝えしているのは、このためです。

外に出してよいのは手です。何を見て、どう決めるかという判断だけは、御社が手放してはいけません。

判断さえ手元にあれば、契約が終わっても、ほかの会社に頼むことになっても、御社は自分で決められます。弊社では、次のように分けて考えています。

項目社内(御社)が持つ外部に任せられる
お客様と商品の一次情報商談の録画、決め手、断られた理由聞き取りと分析、言葉にすること
広告やLPの原稿社長さんの思い、言ってはいけないこと構成と下書き、検証の設計
日々の運用承認と優先順位設定、入稿、配信の修正
数字の判断続ける・やめるの最終決定数字の読み取りと、次の打ち手の提案
アカウントとリスト名義と管理者の権限日々の操作
記録保管と共有毎週の記録を書くこと

代表はこの分け方を「原稿の9割はうちが書くけど、残り1割は社長さんの思い」と表します。外部がどれだけ書いても、最後の1割は御社にしか書けません。

マーケティングの外注先を選ぶときに確かめたい5つの質問

依頼先の良し悪しは、提案書の見た目では分かりません。商談の場で、次の5つを聞いてみてください。どれも、判断が御社の手元に残るかどうかを確かめる質問です。

  1. 判断する人と、実際に手を動かす人は誰か。社員か、外部への再委託か
  2. 毎週、または毎月の報告に、数字だけでなく判断の理由まで書かれるか
  3. 契約が終わったとき、記録、広告アカウント、リストのうち何が御社の手元に残るか
  4. うまくいかなかったとき、どう伝えてくれるか。見直す時期はいつか
  5. 引き受けない仕事や、お断りする基準はあるか

1つ目については、商談でも「その先が再委託となると、どの程度のクオリティなのか確認できないのが不安」という声を伺います。誰が作業するかと同じくらい、その作業を誰が確かめ、どう報告するかを聞いておくと安心です。2つ目の答えには、依頼先の姿勢がいちばんよく表れます。数字の一覧しか出てこないなら、判断は依頼先の頭の中にだけ残っていきます。

反対に、「必ず成果が出ます」と言い切る依頼先には気をつけてください。代表は「長年やっていても、分からないものは分からない時がある。PDCAを回しますとしか言いようがない」と話しています。分からないことを分からないと言い、そのうえで何を試すかを示してくれるかを見てください。

弊社の進め方:役割を分けて、毎週15分お会いする

弊社がいまお受けしているのは、一緒に進める形だけです。設計と数字の判断は弊社が担い、日々の実務は御社のご担当者様か、弊社の実務担当者が担います。前者が伴走型(月44,000円・税込)、後者が伴走+実務型(月99,000円・税込、実務は月約15時間まで)です。どちらも、判断と月末のレビューは代表の猪飼が担当します。

毎週15分、オンラインでお会いして、実施したこと、数字、分かったこと、次にやることをお伝えします。裏でどれだけ作業をしていても、伝わらなければ御社には見えません。たった15分でも、続けるかどうかで、お互いに見えているものがまるで違ってきます。毎週の記録は御社の手元に残り、弊社がいなくても回る状態になれば、その時は離れていただいて構いません。

外に頼む前に、社内で決めておく4つのこと

依頼先を探す前に、次の4つを社内で決めておくと、どの会社に頼んでも話が早く進みます。

  1. 最後に判断する人を1人決める。社長さんか、決裁を任されたご担当者様か
  2. 直近3ヶ月の、面談の数とご成約の数を出す
  3. 商談の録画か、トークスクリプトか、資料のどれかを用意する
  4. 記録を置く場所と、見直す時期を決める。たとえば3ヶ月目の月末に、続ける・変えるを決める

2つ目からは成約率が出ます。ご成約の数を面談の数で割ります。例(仮の数字)で、3ヶ月で面談30件、ご成約6件なら、成約率は20%です。この数字があれば、外部が入ったあとに何が増えたのかを、同じ物差しで確かめられます。弊社でも、この直近3ヶ月の数字をベースラインとして、ご契約の時点で書面に残しています。

外注がうまくいくかどうかは、依頼先を選ぶより先に、御社が自分の物差しを持っているかで決まります。手は借りても、決めるのは御社です。明日、直近3ヶ月の面談の数とご成約の数を書き出し、成約率を一つの数字にしてみてください。その数字が、どの依頼先と向き合うときにも、御社の判断の土台になります。

よくある質問

Q

マーケティングは外注と内製、どちらがよいですか。

A

どちらか一方に決める必要はありません。作業は外部に任せ、一次情報と最終判断は社内に残す形がいちばん早く、長く成果につながると弊社は考えています。内製化とは、操作を覚えることではなく、判断の基準を社内に持つことです。

Q

社内にマーケティングに詳しい人がいなくても、外注はうまくいきますか。

A

うまくいきます。詳しい人がいなくても、商品とお客様のことを一番知っているのは御社の方です。弊社の伴走+実務型では、日々の実務を弊社が担い、御社には商談の情報と最終判断だけをお願いしています。

Q

外注先が再委託している場合、品質は大丈夫ですか。

A

誰が作業するかより、誰が確かめて、どう報告するかを確認してください。弊社では、実施したことと数字を毎週の報告で御社と同じ形で確認し、判断が要る点は代表が引き取ります。

Q

外注先を変えるときに、気をつけることは何ですか。

A

広告アカウント、LINE、リストの名義が御社にあるかを、まず確かめてください。あわせて、これまでに何を試し、なぜそうしたのかの記録を受け取っておくと、次の依頼先がゼロからやり直さずに済みます。

猪飼 智弘
この記事を書いた人猪飼 智弘株式会社エクスネット 代表取締役/商談の伴走者

2011年に名古屋で創業。自社でも講座の販売や広告の運用を続けながら、面談で販売する高単価の商品・サービスの売上を、商談と導線から伸ばす伴走支援をしています。

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