広告アカウントの停止やLINEの凍結に備える。止まっても売上を止めない方法
先に結論
広告アカウントやLINEは、規約を守っていても運営会社の判断で止まることがあり、止まった日から集客の入り口が閉じます。備えは、媒体の数を増やすことより、連絡先、面談の記録、面談で決まる力といった「他社に止められないもの」を自社の手元に増やしておくことです。止まったときは、新しいアカウントで同じ広告を出し直す前に、なぜ止まったかを確かめ、手元のリストと過去に面談した方へご連絡してください。
広告アカウントは、規約を守っていても止まる
広告の表現が、続けて却下される。直して出し直しても、また通らない。そんな通知が届くたびに、このアカウントもいつか止まるのではないかと、落ち着かない気持ちになっていないでしょうか。商談でも「どういうところでいきなり引っかかるかわからない」「どこかのプラットフォームに乗っていると怖い」という声をよく伺います。
弊社の代表の猪飼は、まさにその前触れのあとで、自社の広告アカウントを2度止められています。表現の却下が何度か続き、ある日突然、アカウントそのものが止まりました。代表自身のLINEのアカウントも2度止まり、それまでに集めた方へ、一度に連絡できなくなりました。止まったLINEのアカウントは、戻りませんでした。
そのときのことを、代表はこう振り返ります。「一社の意向で、自分のところの集客の入り口が潰されるのはものすごく怖い。自分で何ともならないもどかしさがある」。どれだけまじめに規約を守っていても、集客の蛇口を握っていたのは自分ではなく他社だった、ということです。
なぜ、まじめにやっていても止まるのか。代表の見立てでは、いまの広告の審査はAIが担っていて、確実ではないぶん、疑わしいものは止める方向に働きます。代表はこれを「もらい事故みたいなもの」と言います。有名人になりすました広告が増えて取り締まりが厳しくなった時期には、真っ当にやっている会社まで止められていました。
広告だけに頼らずに事業を続ける。弊社のいまのやり方は、この2度の経験から始まっています。
止まったとき、売上に何が起きるか
面談で販売する高単価の商品・サービスでは、止まった影響は少し遅れて届きます。広告が止まった翌日から、新しい予約は入りません。けれど面談は予約から日が空くので、止まった週はまだ面談が続き、いつもどおりに見えます。数週間たって予定表が空き始めたことに気づいたときには、翌月の売上まで決まってしまっています。
立て直しにも時間がかかります。代表は、広告の不調を立て直すのに2〜3ヶ月かかれば、そのあいだに資金が持たなくなる会社もあると見ています。だからこそ、止まったら何件減るのかは、止まる前に数字で出しておくべきです。
| 例(仮の数字) | ふだんの月 | 広告が止まった月 |
|---|---|---|
| 面談の件数(広告から7割の場合) | 20件 | 6件 |
| 面談で決まる割合 | 20% | 20% |
| ご成約 | 4件 | 1.2件 |
| 売上(単価50万円) | 200万円 | 60万円 |
同じ条件で、面談で決まる割合が30%ならどうでしょう。広告が止まった月でも、6件 × 30% で1.8件、売上は90万円残ります。入り口が細っても、面談で決まる力があれば、落ち込みは小さくて済みます。弊社が広告より先にご商談の改善から入るのは、これがいちばんの理由です。面談で決まる力は、どの会社の規約にも止められません。
媒体を増やすだけでは、備えにならない
止まるリスクへの備えとしてよく言われるのは、「媒体を分散する」「予備のアカウントを用意しておく」の2つです。弊社は、どちらも備えとしては足りないと考えています。
広告の媒体を2つにしても、LINEとSNSを両方使っても、運営する会社の判断で止まりうる点は変わりません。厳しくなる時期が重なれば、まとめて止まります。代表自身、広告とLINEを同じ時期に止められています。
予備のアカウントも同じです。代表は以前、止められたあとに家族の広告アカウントで同じ広告を出し、すぐにまた止められました。止まった理由を直さないまま場所だけ移しても、結果は変わりません。代表はそこで、広告を管理する土台を一から作り直し、別の商品で出稿を始めました。その広告は、そこから3年ほど続いています。
この遠回りから、弊社がはっきりお伝えしていることがあります。媒体をいくつ増やしても、蛇口を握っているのは他社です。御社が増やすべきなのは、どこの会社にも止められないものです。
具体的には、次の4つです。
- 御社の手元にある、お客様の連絡先(メールアドレスなど)
- 面談の記録と、決まった理由・決まらなかった理由
- 面談で決まる力
- 広告以外の入り口(紹介、問い合わせフォーム営業など)
どれも、どこかの会社の規約で消えることはありません。そのかわり、ふだんから少しずつ貯めておかないと、止まった日には間に合いません。
止まる前にしておくこと:広告アカウントとLINEの備え
止まる確率は、下げることができます。代表がよく言うのは、準備を怠って止められるのと、準備をしたうえで止められるのとでは、受け止め方がまるで違うということです。準備をしていれば、しょうがないと思えます。弊社は、その切り替えの早さが、止まったあとの差になると考えています。
- 広告アカウントは御社名義で持つ。代理店の名義にしない
- 個人のアカウント1つに頼らず、会社の管理画面で管理者を複数にし、2段階認証を入れる
- 出稿の前に、表現や規約に触れる箇所がないかを確かめる。表現の却下が続いたら、止まる前触れと考えて見直す
- どの広告から誰が来て、面談で決まったかを、広告の管理画面の外にも記録しておく
なかでも大事なのは名義です。代表は、代理店がお客様の広告アカウントを持つと、お客様が「首根っこをつかまれる」状況になると言います。弊社は広告費をお預かりせず、広告アカウントも御社名義のまま運用します。出稿の前には、表現や規約に触れる箇所がないかを確かめる自社の仕組みも使っています。
4つ目は見落とされがちです。止まったアカウントの記録を、いつまで見られるかは分かりません。どの表現で、どんな方が来て、面談で決まったのか。その記録が御社の手元にあれば、新しいアカウントで再開するときに、ゼロから試し直さずに済みます。
LINEは、お客様とのやり取りにとても向いた道具です。ただし、リストそのものはLINEの仕組みの中にあります。代表は「LINEはLINE社にすべてを握られている」と話し、リストを資産として持つならメールのほうが確かだと考えています。弊社のおすすめは、LINEをやめることではなく、LINEとメールの両方で連絡できる状態にしておくことです。
- LINEで登録した方にも、面談の予約やアンケートのときにメールアドレスを伺う
- 面談した方のお名前、連絡先、面談の記録を、LINEの管理画面の外にある御社の名簿に残す(表計算のファイルでも構いません)
- その名簿を、いまの状態で手元に取り出せるか、月に一度確かめる
止まった日に最初にすること
それでも止まったときは、次の順番で動きます。
- なぜ止まったかを確かめる。審査の通知と、直前に出していた表現を見直す
- 翌月までの面談の予定を数え、どれだけ減るかを出す
- 手元の名簿と、過去に面談した方へご連絡する
- 広告以外の入り口を動かす(紹介のお願い、問い合わせフォーム営業など)
- 必要であれば、別の媒体で小さく試す
1つ目を飛ばさないでください。焦って新しいアカウントで同じ広告を出し直せば、家族のアカウントで同じことをした代表と、同じ結果になります。2つ目の数を出すと、どれだけ急ぐべきかが分かります。翌月の面談がまだ半分残るなら、新しい媒体に慌てて手を出すより、手元の名簿へのご連絡に時間を使えます。
先に書いた代表の広告も、作り直した土台の上で出し直したから続いています。弊社は、急いで出し直すより、土台を整えてから再開するほうが、結果として早く戻れると考えています。
広告以外の入り口は、止まってから作っても間に合いません。弊社自身も、広告に頼らない入り口として問い合わせフォーム営業を試し、843通の送付から2件のご成約につながりました。ふだんから小さく動かしておけば、いざというときに太くできます。
集客の入り口の偏りを確かめる:明日やること
ここまでの備えを、いっぺんに整える必要はありません。最初に知っておくべきなのは、御社の集客がどれだけ一つの入り口に寄っているかです。それが分かれば、どこから手をつけるかは自然に決まります。
広告もLINEも、止まる日は御社には選べません。選べるのは、その日に手元に何が残っているかだけです。明日、直近3ヶ月の面談の予約を、広告、紹介、LINE、フォーム営業といった入り口ごとに数えてみてください。いちばん大きな入り口が止まったら翌月の面談が何件になるか。その数字が見えた日から、御社の備えは始まります。
よくある質問
広告アカウントが停止されたら、新しいアカウントを作ればよいですか。
止まった理由を直さないまま、新しいアカウントで同じ広告を出すと、すぐにまた止まることがあります。代表自身、家族のアカウントで同じ広告を出し、すぐに止められた経験があります。まず審査の通知と直前の表現を見直し、そのあいだは手元のリストへのご連絡を進めてください。
LINEのアカウントが凍結されたら、友だちのリストは戻りますか。
代表の経験では、止まったアカウントは戻らず、集めたリストに連絡できなくなりました。戻ることを前提にせず、ふだんからメールアドレスなど別の連絡手段を手元に残しておくことが備えになります。
規約を守っていれば、広告アカウントは止まりませんか。
残念ながら、守っていても止まることがあります。審査の多くは自動で行われ、疑わしいものは止める方向に働くためです。出稿前の確認で止まる確率を下げつつ、止まっても売上が残る形をつくっておくことが大切です。
集客の入り口は、いくつあればよいですか。
数の目安より、いちばん大きな入り口が止まったときに、翌月の面談が何件残るかで考えてください。広告が大半を占めているなら、紹介、問い合わせフォーム営業、手元のリストへの働きかけのうち、1つをふだんから小さく動かしておくことをおすすめします。
