集客にAIを使うと、どこまで任せられるか|下書きまではAI、決めて責任を取るのは人
集客の仕事のうち、リサーチ、分析、下書き、見直しまでの8〜9割はAIに任せられます。それでも人がやらなければいけないのは、どれを使うかを決めて、その結果に責任を取ることです。AIを入れる前に、最後に「これでいい」と決める人を仕事ごとに決めておいてください。
夜中の4時まで、1人でAIの仕組みを作っていた
2026年の春は、AIの仕組みづくりに没頭していました。ほかの会社の人がみんな帰ったあとのオフィスで、夜中の4時ごろまで1人で開発し、たくさん失敗もしました。
弊社が使うAIの仕組みは、私が自分で作っています。エンジニアに外注すると、マーケティングをする側の目線の仕組みにならず、使い物にならないものが届くからです。何を集めて、どこを見て、何を決めるための仕組みなのかは、集客をしている側にしか分かりません。外に頼むときに何が起きやすいかは、マーケティングを外注するときの記事に書きました。
自分で作ってきたので、AIに何ができて、何ができないかは、手で触って分かっているつもりです。そのうえで、この記事ではAIに任せることと、人が手放してはいけないことの線の引き方をお伝えします。
AIごとに答えが違って、迷っている会社が増えている
ご自身でAIを使って集客を何とかしようとして、AIごとに答えが違い、どれが正しいのか分からなくなっている会社が、いまあちこちにあります。たとえば、ChatGPTとClaudeで言っていることがまったく違う、という混乱です。マーケティングには正解がないので、混乱するのは当然です。
AIを使うこと自体が目的になって、振り回されている会社もよく見ます。経営者が欲しいのは、AIを入れることではなく、その結果として売上がどう変わるかのはずです。
私の見立てでは、どちらもAIの性能の問題というより、AIが出した答えのうち、どれを採るかを決める人が決まっていないことのほうが大きいと思います。
任せるのは下書きまで。人に残るのは責任を取ること
私は、リサーチ、分析、下書き、見直しまでの8〜9割はAIに任せています。
それでも、人がやらなければいけないのは、責任を取ることだけです。
この4つの仕事で、どこまでをAIに渡し、どこを人が持つかを、例として表にしました。
| 仕事(例) | AIに任せること | 人が持つこと |
|---|---|---|
| リサーチ | 材料を集めて、読んで、まとめる | 何を調べるか。どの材料を信じるか |
| 分析 | 集計して、違いの大きいところを示す | その数字を見て、何をやめて何を続けるか |
| 下書き | 案を何本も出す | どの案を、お客様に出すか |
| 見直し | 言い回しや抜けを指摘する | 最後に「これでいい」と決めて出す |
表の「分析」で言えば、仮に、AIが「先月より面談の予約が減っている」と示してくれたとします。広告を止めるのか、LPを直すのか、もうひと月様子を見るのかは、その集計のどこにも書いてありません。選んだ結果が外れたときに、引き受けるのも人です。
弊社では、経営者の方とのお話を、交流会での会話も含めて、すべて記録して文字起こししています。パソコンでメモを取りながら聞くと、どうしても漏れて間に合わないからです。その記録を読んで項目を抜き出すのは、AIの得意なところです。
たとえば、相談に来られた会社の商談の記録を数えたときも、文字起こしを読んで項目を抜き出したのはAIです(26社の商談記録の記事)。けれども、確かめられない数字は記事に出さないと決めたのは私です。AIがどれだけ速く読んでも、その一行を出すかどうかの責任は、私が持つしかありません。
AIが案を出しても、出す順番は人が決める
LPを直すとき、私は、まずファーストビューだけを差し替えて広告を再開し、前と数字がどう変わったかを確かめてから本文に移ります。ファーストビューで読み進めてもらえなければ、本文を直す意味がないからです。
AIは、ファーストビューの案も本文の案も、同じ速さで出してくれます。けれども、どこから変えて、どの数字を見てから次に進むかは、AIの案の中には書いてありません。そこを決めるのは人だと私は考えています。
広告の数字を一気に何倍にもできる人を、私はあまり見たことがありません。着実に、少しずつ上げていくものです。AIを使っても、その順番を決める人がいなければ、数字は上がっていきません。
お客様に伝えるのは、AIではなく、何が変わるか
弊社は、広告やLPで「AI」という言葉を前に出すことはしません。先ほどと同じで、お客様にとって大事なのは、AIかどうかではなく、反応が取れて売上が変わるかどうかだからです。
仕組みを、道具として単体で売ることもしていません。道具として売ると、ほかの道具との比較になり、しかも施策を回すには人の力がいるからです。仕組みを渡して「使ってください」とお願いしても、おそらく使いこなせません。どれを採るかを決める人がいなければ、先ほどの迷っている会社と同じことが起きます。
AIの時代だからこそ、人です。御社がお客様に伝えるのも、AIを使っていることではなく、お客様にとって何が変わるかと、誰が責任を持つかです。
明日やること:今週AIに頼んだ仕事に、決めた人の名前を書く
明日、今週AIに頼んだ仕事を1つ選んで、その結果を最後に「これでいい」と決めたのは誰だったかを、名前で書き出してください。
書き出すのは、AIに頼んだこと、AIが出したもの、そのうち使ったもの、使うと決めた人の4つで十分です。
名前が書けないなら、その仕事は誰も責任を取らないまま進んでいます。AIを増やすのは、そのあとでも遅くありません。
よくある質問
集客の仕事は、AIにどこまで任せられますか。
私は、リサーチから見直しまでのほとんどをAIに任せています。どの案を使うかを決めて、結果に責任を取るのは人です。
AIによって答えが違うときは、どうすればよいですか。
マーケティングには正解がないので、答えが違うのは当然です。どれが正しいかをAIに決めさせるのではなく、どの案を採るかを決める人を先に決めてください。
広告でAIを使っていることを伝えたほうがよいですか。
弊社は伝えていません。お客様にとって大事なのは、AIかどうかではなく、反応が取れて売上が変わるかどうかだからです。
