値上げすると売れなくなる?|高単価の商品で、単価を上げる前に確かめる3つのこと
値上げで売れなくなるかどうかは、金額の高さではなく、いまのお客様が何に払っているかで決まります。私自身、月額の安い入口で集めた方がすぐに辞めていくのを見て、数十万円の講座に切り替えました。単価を上げる前に、①直近で決まった3人の決め手、②値上げ後に必要なご成約と面談の数、③値上げに見合う「ここまでやります」の3つを確かめてください。
安い入口で集めた方は、すぐに辞めていった
5年ほど前、私はパートナーと一緒に、物販の講座を運営していました。私が集客を担当し、パートナーが講座の中身を担当する形です。
最初は、月額の安い入口を用意して集めました。けれども、入った方がすぐに辞めていきました。
そこで私たちは、入口の月額をやめ、数十万円の講座に切り替えました。安くすれば、人は来ます。けれども、安さで来た方は、安さ以外に続ける理由がありません。
値上げしたいけれど、お客様が離れるのが怖い。高単価の商品を面談で販売している方なら、一度は考えたことがあると思います。その怖さは、価格で選んでくださっていた方を思い浮かべるから生まれるのではないでしょうか。
単価とは、誰とどこまで仕事をするかの宣言である
弊社では、単価をこう定義しています。単価とは、お客様に払っていただく金額であると同時に、どんな方と、どこまで深く仕事をするかの宣言です。
単価を上げると、来てくださる方が変わります。月額の安い入口のときに集まったのは、とりあえず試したい方でした。面談で販売する高単価の商品なら、本気で変わりたい方と仕事をするほうが、成果も出やすく、続きやすいのです。
価格を決めるとき、よその相場は一切関係ありません。それだけの価値を届けられるかどうかだけです。相場に合わせた時点で、お客様は御社をほかと並べて比べ始めます。
値上げは、値札を変えることではなく、お客様を選び直すことです。
1つ目 いまのお客様は、何に払っているか
値上げの前に、直近で決まったお客様を3人だけ思い出してください。架空のお客様像ではなく、実際にお申し込みいただいた3人です。広告の文章を作るときも、私は架空のお客様像を立てず、直近で決まった3人を一緒に思い出していただきます。値上げも同じで、架空のお客様の反応を想像すると、怖さだけが大きくなります。
その3人について、次のことを書き出します。
- どこから来た方か(広告、紹介、セミナーなど)
- 面談で、いちばん気にしていたこと
- 最後に申し込みを決めた理由
- 価格について、何かおっしゃっていたか
弊社では、私が受ける面談をすべて録画して見返しているので、決め手はその方の言葉のまま残っています。記録が残っていなければ、次の面談から、終わった直後に決め手を1行だけ書き残してください。
3人とも「この金額なら」と価格を理由にしていたなら、値上げの前に、届け方を見直す必要があります。反対に、決め手が「この人に頼みたい」「この内容なら」だったなら、値上げで離れる方は思うより少ないはずです。
2つ目 値上げしたあとに、何件決まればよいか
値上げで成約率が少し下がっても、売上が下がるとは限りません。必要なご成約の数が減るからです。月の売上の目標を決め、単価ごとに、必要なご成約と面談の数を出してみてください。
| 例(仮の数字)月300万円を目指す場合 | 単価30万円 | 単価50万円 | 単価100万円 |
|---|---|---|---|
| 必要なご成約 | 10件 | 6件 | 3件 |
| 成約率の想定 | 25% | 20% | 15% |
| 必要な面談 | 40件 | 30件 | 20件 |
この例では、単価を上げて成約率が下がっても、必要な面談は半分になります。面談が月に20件減れば、その分の時間を、1人ひとりの事前の準備に回せます。
弊社自身の法人向けの高単価サービスは、2025年度の1商材で、面談95件からご成約13件(約14%)、ご成約1件あたりの売上は約123万円でした。成約率だけを見れば高くはありません。それでも、売上は1,602万円になりました。単価が高い商品は、低い成約率でも回ります。値上げするかどうかを、成約率が下がるかどうかだけで決めないでください。
3つ目 値上げに見合う「ここまでやります」を言えるか
社員が10人に満たない会社が安売りをしたら、絶対に勝てません。ここまでやります、と言って、それだけの料金をいただくしかありません。
私自身、会社を立ち上げたとき、元手はほぼなく、特別なスキルもなく、在庫を持つこともできませんでした。形のないサービスを扱い、自分が手を動かして価値を届けることしかできなかったのです。いま、形のない商品を扱う方だけをご支援しているのは、ここが出発点です。
値上げをするなら、新しい金額で何が変わるのかを、一文で言えるようにしてください。たとえば、どこまで一緒に手を動かすか、どのくらいの頻度で進み具合を確かめるか、といった関わり方の深さです。言えないまま金額だけを上げると、お客様には値札が変わっただけに見えます。
値上げの前に、やらないほうがいいこと
値上げに不安があると、相場を調べて真ん中の金額に合わせたくなります。けれども、そうするとほかと並べて比べられ、選ばれる理由が価格だけになります。料金を下げるのは、ただの安売りです。値上げが怖いときほど、金額ではなく、1つ目で書き出した3人の決め手に立ち戻ってください。
明日やること:直近で決まった3人の決め手を書き出す
値上げするかどうかは、金額表を眺めていても決まりません。決めるための材料は、すでに御社の面談の記録の中にあります。
明日、直近でお申し込みいただいた3人の面談の記録か録画を開いてください。そして、最後に申し込みを決めた理由を、その方の言葉のまま1行ずつ書き出してください。その3行に価格の話が一つもなければ、値上げを考える材料はもうそろっています。
よくある質問
値上げすると、成約率は下がりますか。
下がることはあります。ただ、単価が上がれば必要なご成約の数が減るので、売上が下がるとは限りません。成約率だけでなく、必要な面談の数で判断してください。
既存のお客様にも、新しい価格をお願いしたほうがよいですか。
弊社のおすすめは、まず新しくお申し込みいただく方から新しい価格にすることです。いまのお客様には、ご契約の区切りなど、次にお申し込みいただくときに、何が変わるのかと合わせてお伝えします。
値上げの幅は、どのくらいが目安ですか。
よその相場から決める必要はありません。新しい価格で何が変わるのかを一文で言えるか、そして直近で決まった方の決め手が価格ではなかったかを確かめ、そのうえで、必要なご成約と面談の数が無理のない範囲に収まる金額にしてください。
安い入口の商品は、作らないほうがよいですか。
入口の商品そのものが悪いわけではありません。ただ、私の経験では、月額の安い入口で集めた方は、すぐに辞めていきました。入口を作るなら、その先の商品を必要とする方が集まる内容と金額にしてください。
